そろそろ秋の渡りの季節 |
★キネシオロジーへと続く道9
私が所属していたブランドのアトリエにはいろいろな業者さんが出入りしていました。
生地屋さんも数社あったと思います。
その中の一つ、いろいろなことを教えてくれていた生地屋さんが、どこからか私の所属するブランドが閉鎖するという噂を聞きつけて、私と、一つ上の先輩に教えてくれました。
うろたえた私たちはとっさに「どうするのが一番いいですか?」と、その方に尋ねました。
するとその人は、
「よくある倒産は、最後になるとお給料が出なかったりするから、お給料がちゃんと出るうちに辞めたほうがいいよ」
とアドバイスをくれました。
実際は、親会社がいたので倒産ということはなかったと思います。ただ、働き始めて間もない私たちは、ブランドが簡単になくなることがあるなどと予想すらしておらず、その人の言葉を信じる以外、ありませんでした。
ちょうど同じころ、デザイナーは会社の経費でパリ視察旅行へ出かけて不在になりました。その不在を利用して、会社の取締役が従業員を一人ずつ面接し、今後のことを話し合う機会が設けられました。もうブランドはなくなると、もっぱら噂されているのに、今後のこととは何なのでしょうか。
確か、表参道のハナエモリビルの角を脇に入ったところにある喫茶店で、その面接は行われました。
その取締役が言うところによると、これから新しい体制でブランド運営をしていく、ついては小林さんのお給料もずっと上げる予定なので頑張ってほしい、ということでした。
ブランドはなくなるというのに、お給料をあげるとはどういうことなのか、それともデザイナーズブランドはやめにして違う業態にするのか、計画はあるようでないような、おぼろげで、信頼できないものでした。そのころの私には、世の中の会社の始まりと終わりはよくわかりませんでした。しかし、薄暗い喫茶店のテーブル席で、うっすらと笑みを浮かべながら話す、そのどこかから連れてきた取締役の、裏地がないジャケットのような、独特の言葉の軽さはすぐに理解できました。
そんなことをしているうちに、次のコレクションの準備の時期がやってきました。新しいスタッフは入っていません。また、学校の文化祭のようなコレクションをやるつもりなのか、あのころの私からは大人に見えた、30代後半から40代初めの大人たちはそのまま振り切ろうとしたようでしたが、親会社からストップがかかり、コレクションへの参加は中止になりました。
この「中止」を、私と一つ上の先輩は、終わりという合図と受け取りました。毎シーズン参加していたコレクションを取りやめるということは、ブランドの終了の予告のようなもの。一度やめて、復帰したブランドなど、聞いたことがありません。
私たち二人は、そのときやっていた現物の仕事が終わるころ二人一緒に会社を辞めることを決めました。
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