お財布の残りが120円だったこともある

 

橋の下にはキジが住んでます

★キネシオロジーへと続く道3

1990年初頭、バブル崩壊のきっかけとなった利上げがあったとされていますが、
その後もしばらくは景気がよかったと記憶しています。
若いお金のある人は、海外旅行にいったり、ブランドのバッグを買ったりしていました。

一部上場の大手企業に入社して働く同級生たちを尻目に、
私は文化服装学院に通い、アルバイトで稼いだお金は課題の材料を買うために使っていました。
今のようになんでも安い時代ではありません。
高い生地は1メートル四、五千円したと記憶しています。
コートやスーツを作るには、それが4メートルぐらいは必要です。
そのほかにも、ケント紙やカラーペン、パステル、絵の具などの画材も必要です。
自由になんでも買えるほど、お金はありません。

あるとき、友達が交通事故に遭い、
飯田橋の警察病院に入院しました。
連絡して、何が食べたいか尋ねたら、プリンが食べたいとのこと。
学校の帰り、新宿駅の駅ビルにあったケーキ屋さんでプリンと、もう一つなにか
ケーキを買って、帰り際、切符を買ってから財布を見てみたら、
120円しかありませんでした。
常にそれぐらいの余裕です。

学校に着ていくものは、セールで買ったものと、
自分で作ったものを組み合わせていました。
作ったものを着るかどうかはその人によります。
人によっては、自分で作ったものは一切着ない人もいました。

ただいずれにしろ、文化服装学院の学生たちのいいところは、
とにかく他人を気にしない、気にならないところです。
着ているものに関して干渉しない、
それが、ファッションを学び、おしゃれをする若者たちの暗黙のルール。
最先端のファッションに身を包むものもいれば、
荻窪の古着屋で上から下までそろえて着るものもいる。

学生ばかりではありません。
先生たちもまた、実に質素な格好をしていました。
今でも覚えているのは、2年の担任だった40代半ばの女性の先生の口癖。
「十条だけど四畳半」、先生はよくそう言っていました。
四畳半のアパートから出てくるぐらいですから、
ゴージャスな格好なわけがありません。

余計な遊びをしている時間もない学生たちは、
ただひたすら、期限内に課題を提出できるように頑張ります。
それにコミットできる者だけしか、ここで未来を夢見ることは許されません。

しかし、それが厳しいだけの、汗と涙の時間かといったら、
そういうわけでもないのです。
針と糸を手に持って、縫いものをする時間、
手が動いているならば、口を自由に動かして、
楽しくおしゃべりしてもいいのです。
実習時間にしゃべっていても、先生に注意されることはありません。
ここは禅の合宿所ではありませんから、
手さえ動いているならば、作業する私たちに文句を言う人はいません。
教室内では何組かのグループが、
それぞれ、どうでもいいおしゃべりに興じています。

厳しさの中に楽しみを見つける能力と、
期限内に必ず提出してみせるという意志と、
この2つをいい塩梅にに併せ持つ、似たもの同士は、
他人が何を着ているかも、
年齢差も、
誰かが誰かと付き合っていようがお構いなく、
ひたすら、裾をまつり続けます。

財布の中身が1000円だって大丈夫。
なぜなら、ここで学ぶ私たちは、
輝く未来を信じていたからです。

 

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